遅延損害金とは、支払いが遅れた場合にペナルティーとして相手に支払う損害金のことだ。
遅延損害金の率はどのような数字が通常だろうか。金銭以外の場合、例えば納品が遅れた場合のペナルティーは、どのように定めるべきであろうか。
1.遅延損害金の相場は?
遅延損害金の利率は、年14.6%と定めることが一般的だ。どうしてこのような切りの悪い数字が設定されるのだろうか。14.6を365で割ってみると、ちょうど0.04になる。つまり、一日当たり0.04%にして、計算しやすいように定めている。
古い契約書では、「日歩4銭」と定めているものもあるが、これは1日当たり100円につき4銭という意味で、年14.6%というのと同じ意味になる。
2.遅延損害金を定めなかった場合は遅延損害金を請求できるか
遅延損害金を定めなかった場合、法定利率が適用される。商取引によって生じたものは、商事法定利率が適用されて年6%になる。それ以外の場合は、民事法定利率の年5%となる。特約がなければ、法定利率の範囲での請求ができるに留まる。
ペナルティーの度合いを高めたい場合には、法定利率よりも高い率を設定する必要がある。通常は、年14.6%とすることが多い。もちろん、代金を支払う側としては、低ければ低いほど有利となる。
3.納期遅延の損害金
金銭の支払いが遅れた場合に発生するのが遅延損害金だが、では、商品の納期が遅れた場合、すなわち納期遅延の場合の損害金は、どのように定めるのだろうか。
通常の商取引では、売買代金が後払いになることが通常だ。その場合、納期が遅れても、代金を支払わなければよいため、あえて納期遅延の損害金まで定めることはないだろう。しかし、転売を予定しているため転売先に迷惑をかける等、入手する必要性が高い場合には、納期遅延の条項を定めることが考えられる。
売買の場合と同様に、商品の対価の14.6%とすることや、上限を設けたうえで、1日当たりの損害金を定めるという条件設定がありうる。遅延損害金以上の損害が発生する場合には、14.6%の遅延損害金に追加して損害賠償請求できる旨記載することも考えられる。
4.まとめ
遅延損害金の率は14.6%とすることが一般的だ。遅延損害金の定めがない場合には、法定利率での請求も可能だ。取引によっては、納期遅延の損害金を定めることもある。