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2015.07.12

【注意】循環架空取引の見破り方

A社とB社がお互いの在庫を高値で買いあえば、経済的な実体がないにもかかわらず、お互いに利益を計上できる。これは不正な会計処理を目的とするもので、この意味で循環取引という言葉が使われるのが一般的だ。

循環取引には、このほかに、詐欺的な取引も存在する。それをここでは「循環架空取引」と定義する。

循環架空取引に巻き込まれないための注意点について説明する。

1.循環架空取引とは

通常の取引では、 自社(A社)がB社から仕入れてD社へ販売するという流れとなる。
では、循環架空取引を持ち掛けるC社が出てきた場合、C社は何をするのだろうか。

まず、C社は、A社に対して、商品の実体はないにもかかわらず、C社から商品を仕入れてB社に販売し、それにより利益を例えば3%取ることを勧める。そして、支払方法は長期の手形払いとする。商品の受け渡しはなく、現場へ直送されると説明する。

(C社→A社→B社)

次に、C社は、B社に対して、商品の移転の実態はないにもかかわらず、A社から仕入れてC社に販売し、それにより利益を例えば3%取ることを勧める。そして、支払方法は同様に長期の手形払いとする。商品の受け渡しはなく、現場へ直送されると説明する。

(A社→B社→C社)

これにより、C社からスタートしてC社へ戻る循環架空取引が成立することとなる。

A社やB社は確実に利益が出るということで取引の内容を気にせず利益を得ようとして取引を承諾しがちであること、商品の移転の実態がないと言っても、取引先に直送されると言えば、信じてしまうことが多いことが落とし穴になっている。

このような循環架空取引が成立すると、C社としては、1つの取引をする毎に、3%の2回分、すなわち6.09%の損失を受ける形になる。しかし、C社はB社の手形を得ることができ、これを割り引けば現金を得ることができ短期的には資金繰りを改善させることができる(バリエーションとして、C社からの支払いを遅らせ、受け取りを早めることができれば、現金を得ることができ、手形決済でなくても同様のことができる)。もちろん、C社の会計帳簿は仕入れたものと販売したものが整合しない不正なものになる。

ポイントとしては、首謀者であるC社は確実に損をするが、資金繰りを得ることができるという点だ。この取引が毎月のように続くと、C社は損失を埋め合わせるために、資金繰りをつけようと多くの会社を巻き込んで取引の規模を拡大させ、いつか資金繰りがつかなくなってC社は破たんすることとなる。

そして、B社はC社から代金を回収できず、A社はB社から実体のない取引についての返金請求を求められる等の問題が発生することになる。
 

2.取引に巻き込まれないための注意点

循環架空取引は、架空取引であるということから問題が生じている。実体のある取引であれば、取引を循環させることはできないからだ。従って、いくら利益が得られる取引であるからといって安易に取引に入るのではなく、取引の実態があることを確認することが重要だ。

実際に首謀者であるC社に説明を求めても、「取引先に迷惑がかかる」とはぐらかされる可能性が高いが、おかしいと思ったら、最終販売先(ユーザー)へ出向いて実際に確認する等、客観的な証拠を集めることが重要だ。

また、この種類の取引は、毎月徐々に増えるという特徴を持っている。そのような兆候が出てきたらチェックするという方策も有用だ。
 

3.その他の注意点

買収、出資をする際にも、対象企業がこのような取引を首謀していないか、巻き込まれていないか、十分確認をすることが必要だ。
 

4.まとめ

循環架空取引という詐欺的な取引が存在する。巻き込まれないためには、実体のある取引であるかどうか、取引先の制止を振り切ってでも確認することが重要だ。
 

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