契約を結ぶ際には、一般的な書式だからと安易にひな形を使うべきではない。
その取引の目的や背景事情に照らして様々なリスクを考慮し、契約条件を設定していくべきだ。
1.不誠実な事業者への対応
営業活動を委託し、その成果により支払いを行うとした場合、営業活動の成果の定め方が甘いと、よくない顧客(代金を払わない、取引を継続しない)を紹介したにもかかわらず成果の支払いを求められることがある。
ある仕事を達成した場合に対価を支払う場合、その仕事の内容が十分満足できるか、性悪説に立って詳細に仕様(条件)を設定する必要がある。
2.最悪のケースを考える
今必要だと思って商品を大量に発注したり、長期の契約を締結しても、その商品を売り切ることができなかったり、長期の契約により得たものを有効活用できなければ、大きな損失となる可能性がある。特に、新しいビジネスを行う場合には、リスクを限定しながら進める必要がある。
最悪のケースを考えて契約を締結しよう。
3.あいまいな契約は避ける
相手と契約条件について折り合わず、その部分については問題が生じた場合に協議する旨の条項とすることがある。しかし、その場合は協議が整わなければ何も定めていないに等しい状況となってしまう。可能な限り契約条件をすり合わせて明確な契約にしよう。
4.まとめ
契約条件を設定する上では、以下の事項に気を付けよう。
(1)相手が誠実でない事業者であっても対応できるように、様々なケースを想定しながら契約条件を設定する。
(2)今はうまくいきそうに見えても、ビジネス上最悪のケースを考えて契約条件を設定する。
(3)契約条件のすり合わせにおいては、曖昧な契約条件を定めない。