集金業務を委託するうえでようなことに気を付ければよいか。
ポイントをまとめた。
1.与信管理の観点
集金業務を委託する場合、実際に客先から集金してから、自社に入金されるまで、タイムラグがある。その間に集金業務の受託者が経済的に行き詰れば、回収できないという事態が生じる。
したがって、このタイムラグは可能な限り少なくするとともに、与信管理を適切に行う必要がある。
与信管理については、下記を参照してほしい。
与信管理の手法 契約条項の例 取引数量の増加要求 信用不安時の対応
2.弁護士法の問題
集金業務で委託できるのは、単純な事務手続のみで、相手が拒んでいる場合に、集金業者が支払うよう交渉するのは弁護士法に違反する可能性がある。そのような場合には、集金業者の業務はその時点で終了させ、委託者サイドで解決するよう注意する必要がある。
3.個人情報の取り扱い
集金業務の委託先に個人情報を提供する場合には、秘密保持のための誓約書の提出を求め、個人情報の流出防止について管理をすべきだ。
個人情報保護法22条は個人情報取扱事業者(一定の数以上の個人情報を取り扱う場合に該当する)が個人データを第三者に委託する際の監督責任を定めている。
自社が個人情報取扱事業者であれば、秘密保持契約を結んだうえで、個人データを適切に管理監督をする必要がある。
4.解除条項の設定
集金業者が顧客との関係が悪化するような不適切な回収をした場合には、契約を解除できる旨の条項を加えることも重要だ。
解除条項の内容については、下記を参照してほしい。
取引先信用不安時の対処方法は?契約解除条項
5.まとめ
集金業務を委託する際には、与信管理の観点が必要となってくる。また、集金業者が弁護士法に違反しないように注意する必要がある。個人情報を取扱わせる形になるので、個人情報が流出しないよう適切に監督する。顧客との関係が悪化するような不適切な回収行為を行った場合には、契約を解除できるようにする。